託す時
ドラゴンボール、ブルマの声優をつとめあげた鶴ひろみさんのアニメでの最後の台詞は「頼んだわよ みんな。」ってことを知った。
僕の祖父は今から20年以上前に他界へ旅立ったんだけど、旅立つ前はもう全然しゃべることも出来なくなってた。
ある日祖父の見舞いに行って、そろそろ帰るねって時に、「また来るね」って祖父に言ったら「お父さんとお母さんのこと頼んだぞ」って言われたんよ。その時の僕は、なぜか直感にも似た感じで“これが爺ちゃんから聞く最後の言葉かも”って思った。そして次の日から祖父は人工呼吸器でしゃべることが出来なくなった。
今となってはその時祖父に最後の言葉だという意識があったのかどうかは分からない。分からないけど、おそらく僕がこれまでの人生で受け取ってきた言葉の中で、この言葉がもの凄く想いのつまった言葉だったことは間違いないと思う。
人は、伝えたいことがあるから言葉を選び、想いを乗せる。時にそれは言葉よりも強く想いが伝わり、心にずっと残っていく。それは決して必ずしも最後の言葉って訳じゃなくて、その時々で人は想いを託され、託していくんだと思う。
僕は一人の視聴者でしかないけど、勝手に託された者だと思ってる。託してくれた方と、託してくれた方のまわりにいてくれた人達へ、ありがとうございます。
0コメント