一つの大地に根をおろし、一つの空の下。
その木は、
その場所で、
とてもとても
本当に長い時を生きている。
その木に引き寄せられ
いつの間にか、理由も分からず
そこで命を繰り返す
小さな小さな小鳥たち。
そんな木々がいっぱいあって、
どの木にも
色や形の違う小鳥たちが命を繋ぐ、
とある世界のお話。
4番目の月、28の日のこと、
20年以上来る日も来る日も
同じ小鳥たちが暮らしてきた
大きな大きな木のもとに
その日から、その場所で、
羽を休めていくことを決めた
1羽の小鳥がやってきた。
20数年ぶりに
その木は
4羽の宿り木から
5羽の宿り木になった。
最初からいた4羽は
その事を心から喜び
その年にたくさんの、
たくさんの想いを詰め込んだ。
『ようこそ』
『よろしく』
『よくきてくれたね』
そして、
『ありがとう』と『おめでとう』
その日、
宿り木と、
その宿り木に寄り添う小鳥たちに
たくさんの祝福の想いが訪ねてきた。
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