記憶に繋がる匂い。

再びの

生暖かい

暗闇は

あの風景と

あの音を呼ぶ



久しぶりに、詠んでみる。

今年もまた夏がやってきて、
あの時から沢山の時間が経過した“今”に、
あの時の記憶を運んでくる。

暗闇に光る橙色、
遠くに聞こえるかけ声、
笛の音に呼ばれてそこへ向かうと、
気持ちを高揚させるもので
いっぱいになった場所に辿り着く。

幾度の夏が通り過ぎて、
幾度目かの夏の真ん中で、
僕はまた、ふとあの頃を思い出す。

汗ばむような夏の匂いに、
身を預けては、ゆらゆら揺られ。



始まりで

終わりを見ては

見失う

訳など何も

なかった空と、文月の風を

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